とある実験のーと

趣味ブログ

化合物の三次元分子構造を取得→3Dプリンタで出力

一応化学系をやってる身としては、化合物の立体構造には興味があります。パソコンの画面だけでクルクルやってるだけじゃ物足りません。

ただ、合成屋さんや有機屋さんでないと、ChemDrawなどの専用ソフトウェアを使いこなすことはないのでは?僕だけ?恐らくこれらのソフトウェアを使用すると、分子式を打ち込めば軌道計算を元にした立体配座とか自動で出してくれて、更にはクルクルあちこちの結合を回転させて・・・ってことが出来るはずです。そしてこのご時世なので3Dプリンタ用のデータ出力も出来るはずです。

 

このようなソフトを初学者や素人が使用するのは難しいし高ぇです。てことで、素人でも比較的簡単に化合物の立体構造を3D出力することができないか、調べて実践してみました。

日本ではこのトピックは需要がないようであまり見当たりませんでした。ということでアメリカ様のサイトを参考にしました。今回は基本的にこのサイトの日本語訳みたいになっています。。。

www.instructables.com

まず、PubChemにアクセスして、化合物を検索します。PubChemはアメリカのNIH(日本の厚生労働省みたいなもの)が運営する化学物質のデータベースです。現在の技術で合成できる、名前が付いているような化合物は殆ど登録されていると思います。

Home - PubChem Compound - NCBI

今回はいつも実験でお世話になっている"Ampicillin"を検索してみました。Ampicillinは大腸菌培養とかでスクリーニングに使用する抗生物質です。検索用語は何でも引っかかると思います。分子式とか略称とか。

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検索結果でAmpicillinをクリックすると上のような画面が出てきます。この情報の中でPubChem CIDをメモ(コピペ)します。

 

次に以下のサイトにアクセスします。

NIH 3D Print Exchange | A collection of biomedical 3D printable files and 3D printing resources supported by the National Institutes of Health (NIH)

どうもこのプロジェクトもNIHが運営しており、PubChemに登録されている化合物や、タンパク質構造の3D出力ファイルが取得できるようです!凄い!凄すぎるNIH!

下図のような画面が出てくるので"CREATE"タブを押します。

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Quick submit機能を使用して3Dモデルを検索します。ここでちょっと手こずったのですが、ユーザ登録しないとこのサービスを使用出来ないようです。下図の"log in"を押して、適宜ユーザ登録、ログインして下さい。ユーザ登録部分は省略しますが、所属とか書く必要も無いし誰でも作れます。

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無事ユーザ登録、ログインに成功すると、右側が下図のように切り替わりPubChem CIDを入力出来るようになります。そこで先ほど検索したAmpicillinのCID"6249"を入力してSubmitします。ここで、既にモデルが構築済みの場合は下右図のようなダイアログが表示されるので、素直に従います。。。

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下図のような画面になるので、"DOWNLOAD"からSTLファイルが取得できます!幾つか表現のカタチがあります。

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以上でSTLファイルの取得は終わりです。後は適宜スライサーで拡大縮小回転させて出力します。私は一回Fusion360にインポートして大きさを整えてから再びSTLファイルを書き出しました。

現在出力中・・・。

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これで、誰でも化合物オブジェが手軽に?作れますね!ただし、後ほど色塗りして原子が区別できるようにしないと教育向けにはならないかもしれません。結合部分を回したりできないのも課題ですね。出力結果などはまた報告します。

タンパク質構造も出せるのは凄い。時間があったらやってみよう。

おわり。