とある実験のーと

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trinusでABS出力(その2)-電源とファンの調整

前回、ABSで出力したときのノズルの詰まりに関して書きました。

 

azospiran.hatenablog.jp
復旧後、ABSでの出力出来るように条件などを追い込んだので追記します。

1. 電源の換装

12V-10Aの付属ACアダプタでは、ヒートベッドとホットエンドを両方使用する際に電力不足からくると思われる温度の揺らぎや、立ち上がり時間の長さがイライラを増大させました。後々純正の12V-12AのACアダプタが発売されたようだが、必要不可欠な部品をオプションとして後から買わせるkodama商法にこれ以上付き合いたくないお金の節約のため、電源をPC電源由来のものに換装しました。

  • 従来のACアダプタの、Trinusに繋がるコネクタの方の線を潔く切断し、電圧と電流の向きを確認。プラスが赤線、マイナスが白線。
  • 余っていた容量大きめのPC電源から12V, 5V, 3.3Vの電源が取れるようにした。
    今回使用したPC電源は最大350W, 12V-18A, 5V-18Aまで取れるやつ。どうもtrinusは11Aぐらい使用するみたいなので、これで十分かと。以下のようないくつかのサイトを参考にしたので、詳細は省略。

    検索結果

検索結PC電源の改造 - FC2

この作業をするまで全く関心がなかったのですが、PC電源って実は非常にお手軽?で高性能な安定化電源なんですね。安定化電源って普通に買ったらこんな何種類も電源取れないですし。PCが火を噴くと大変なので、品質管理もしっかりしているでしょうし。無論、前の発熱するACアダプタを使い続けるよりも気持ち的に安心度が高いです。今のところ余裕をもって稼働しております。まぁ言わずもがな自己責任です。

切れっ端の透明塩ビ板にちょっと穴を空けてそれぞれの電圧に端子を付けてみました(黄色いカバーの出来がいまいちなのはご愛敬)。

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2. ノズル温度の変動

電源を変えたところ、昇温時間が改善されて恩恵を感じることができました。一方でノズル温度の変動は抑えられませんでした。どうも電源の問題だけではなさそうです。そこでノズル冷却ファンをABSで出力する際はOFFにしてみることにしました。私はPangoをつかっているので、その設定ですと
Preference→Expert settings→Action→Fanの"Enable nozzle fan"チェックを外します。

結果、240±1℃でちゃんと制御してくれました(歓喜)!

 

 3. 反り。

PLAでの出力の要領で、何も考えずABSでもヒートベッドにドラフティングテープを貼って、その上に出力していました。ただヒートベッドを過熱すると、テープ糊の粘着性が弱まってテープが剥がれ、反ることが分かりました。これに関しては素直にドラフティングテープの使用を止めて、buildtakに直出力することで解決しました。

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写真は今回の自作電源の埃よけカバーをABS出力した結果です。真ん中付近に切れ目がありますが、写真でいう上半分がドラフティングテープ有りで出力したもの、下半分がBuildtakに直接出力したものです(幅が大きくて一回では出力できなかった)。0.2 mmで出力しているので積層痕はありますがまぁまぁ実用に耐えうる出力結果です。実はbuildtakに直出力しているのでも若干四隅が反ってます。これはヒートベッドごと反っているみたいなので、鉄板かガラス板で補強してあげないと改善しないかも。

今回は綺麗さを求めて出力してないのであまりこだわりませんが課題としては、積層時間が短い部分(写真でいう、つなぎ目の出っ張ってるところ)は自然冷却が追いつかずにエッジが汚くなりました。ノズル冷却を切っているせいだと思います。冷却ファン、やっぱりOFFにするのではなく、強さを最適化しないといけないかなぁ。

ひとまず、ABS出力も使えるようになってきました。 

 

今のところの出力条件
ABS (eSUN)
Hot end: 240℃
Heat bed: 90℃
積層: 0.2 mm, 50 mm/sec
ノズル冷却ファン: OFF

後日、皆様を真似してヒートベッドにガラスを使用してみたところ、これが結構いけることがわかったのでまた時間があるときに報告します。