とある実験のーと

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フィラメントのスムーズな供給に向けて [3Dプリンタ,trinus]

こんにちは。

幾つかtrinusで出力してきたのですが、フィラメントは適当な棒に引っかけて使用していました。ただ、引っかけただけではフィラメントの自重により回転の抵抗が大きく、エクストレーダーが結構な力で引っ張らないとフィラメントが供給されません。将来的に故障の原因となる可能性があるため、スプール台を作成することにしました。

基本的にスプールを縦向きで使用する方が多いようですが、この際にはフィラメント(最大1kg強)の自重に耐えられるだけの軸とスタンドが必要なため図体が大きくなる可能性があります。また、スムーズな供給を可能とするためには、軸とスプールの中心径が上手くかみ合い、軸ごと回転するのが理想と考えられます。ただサードパーティ製が多いフィラメントですから中心径もメーカーによってまちまちで、これらにフィットする軸を作成するのは辛そうだと考えました。

勝手に修理・気ままに工作 - フィラメントリールスタンド(filament spool roller)の製作

この方はこれらの課題を軸に依存しない方法で解決しています。部品自体もかっこいいので、まぁこの方のSTLファイルを頂けば万事解決なのですが、折角ですから練習も兼ねて自分で作ってみました。

イデアは"回る卓上テーブル"です。ちょっとスペースを取りますが、スプールを横向きに置くことで、軸が1点で済み、多少ヤワな作りでも垂直に自重がかかるので折れたり反ったりする可能性はなくなります。そして上の人のアイデアを拝借して、ベアリングを使うことにしました。

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NSK製。ベアリングだけ立派です。一個200円くらいです。近所のホームセンターには売ってませんでした。クルクルというよりヌルヌルと回ります。ただ、ちょっと小さめです。外φ=22 mm, 内φ=8mm, H=7 mmです。

以前、プリンタのプリント精度に関してちょっと書いたのですが、今回は産物が大き目なので失敗したときのショックも大きい、部品との組み合わせもあるので、一先ずテストプリントで実際にどれほどのクリアランスを設けたら良いのか、検証してみました。

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上がテストプリントの結果です。出力条件はPLA, 70mm/s, 0.2 mmです。内側に関しては、ベアリング中心のφ8 mmの穴に、モデル上でφ7.8 mm, φ7.7 mmの軸がはまりました。ただ、7.8 mmは結構キツキツで一度填めたら抜けなくなる感じでしたので、7.7 mmを採用することにしました。

次に外側ですが、22 mmのベアリングを填めるために22.2 mmの設計で出力したところピッタリはまりました。キツさも適当で、空回りせずしっかり填まるけど、抜こうと思えば抜けるといった感じでしたので、この径を採用することにしました。

テーブル上側にはコーンのように傾斜をつけた筒を置くことにしました。これによって様々な径のスプールをズレることなく置くことが出来るはずです。

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出力結果です。PLA, 70mm/s, 0.2 mm, 充填率25%で出力しました。ベアリングの外側が填まらなくて焦りましたが、ヤスリでPLA側の縁を少し削ることで解決できました。内側は大丈夫でした。

問題だったのは上のコーン部分でした。テーブル側に幅5 mmの凹を作って、そこに4.8 mm幅の凸をつけたコーンを填める予定でしたが、上手くフィットしませんでした。ヤスリで表面をなめらかにして、なんとかはめた後、ボンドで接着しました。

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本来の目的としての使用ですが、土台側の軸が細くて少し不格好ですが性能は大満足です。弱い力でフィラメントを引っ張ってもクルクル回ります。

 

今回分かった点

○ 円形の場合は目標物とのクリアランスを0.2 mm程度つけた方が良い(四角の場合はまた違うかも)。

○ 出力したもの同士を組み合わせる際には更なる検討が必要

 

リアランスの件ですが印刷のスピードなどの設定によって変化する可能性があります。特に出力物同士を組み合わせる際には、お互いの表面の凸凹が結構効いて、結局はまらないという結果を引き起こしたようでした。検証とチューニングが必要になりそうです。